20.10.20

カーライフ 

【あの映画に登場した車】 デロリアンからセリカGT-FOURまで

洋画に出てくるクルマには、ある意味主役以上に目立ってしまう、素晴らしいモデルがあります。

アクション映画にはスピード感のあるスポーツカーが定番、SF映画には未来からやって来たようなクルマが登場して、様々なジャンルの映画にクルマが重要な役割を果たしていますね。そこで、今回は単なる映画の脇役ではない記憶に残る名車を、紹介していきましょう。

「トランスフォーマー」:シボレー・カマロ

タカラがかつて販売していた変形ロボットおもちゃを、業務提携したアメリカのハズブロ社が新たなストーリーを加味して「TRANSFORMERS(トランスフォーマーズ)」として1984年に発売したものがアメリカをメインに大ヒットし、その後アニメーション、コミックなどにスピンオフしていきました。

そして2007年、マイケル・ベイが監督し、スティーヴン・スピルバーグが制作総指揮、ドリームワークスが制作した実写映画「トランスフォーマー」が公開されたのです。

中古のシボレー「カマロ」を手に入れたのがサム・ウィトウィッキーという主人公です。1967年に発売開始されたカマロアメリカの若い世代に絶大な人気を誇ったスポーツカーです。映画に登場したのは1970年に発売された2代目で、エンジンも改造された、なかなか凝った車両でした。

「バニシング in 60”」:フォード・マスタング マッハ1

1974年公開の「バニシング in 60”」は、「どんな車でも60秒で盗む自動車窃盗団」をテーマとしたカーアクション映画作品。

物語は元カーレーサーで表向きは保険会社の調査員の主人公のメインドリアン・ペイスですが、実は依頼を受けて目的のクルマを盗む窃盗団のボスなのです。いかなるクルマも60秒で盗むことを信条として、狙うクルマに女性の名前を付けて淡々と任務をこなしていきますが、「ELEANOR(エレノア)」と名付けた1973年型フォード・マスタング マッハ1を盗んだ時に警察に追われ、激しいカーチェイスを繰り広げます。映画で使われたのはこの1973年型のフォード・マスタング マッハ1です。

「TAXI」:プジョー・406

1998年に公開のフランス映画「TAXI」は、ジェラール・ピレス監督、リュック・ベッソン製作・脚本によるカーアクション映画。タクシー運転手と新米刑事が手を組んで、連続銀行強盗団を捕まえるために奮闘する物語で、フランスのマルセイユの市街地をクルマが疾走する迫力あるカーアクションシーンが見もの。

ケータリングのピザ屋に勤めていた主人公のダニエル・モラレースは、念願の個人タクシーの認可が下りたことで、愛車のプジョー「406」でタクシーの仕事を始めます。彼の406は見た目ノーマルですが、車内のスイッチを押すことでタイヤがせり出してトレッドが広がったり、エアロパーツが迫り出して、ハイスピードでカーアクションを行っています。

この406は1995年に発売された洗練された中型セダンです。セダンの他にもステーションワゴン、2ドアクーペをラインナップしていました。映画の中は190馬力・3リッターV型6気筒エンジンををベースにチューニングしてあるという設定でした。

「私をスキーに連れてって」:トヨタ・セリカGT-FOUR

1980年代半ば、バブル真っ只中の時代にスキーブームを作ったことでも有名な映画。若いOL役の原田貴和子と高橋ひとみが志賀高原にスキーに行く途中、2台のセリカGT-FOURでバトルをするという、現在では考えられないシーンが素晴らしい。日本車が得意とする4WDターボは雪道で最強であることを世に知らしめたのです。この作品に登場するのは1986年に発売のセリカGT-FOURで、スタイリッシュなボディに、高性能エンジンとフルタイム4WDの駆動方式を採用したクルマでした。

「バックトゥーザフューチャー」:デロリアン・DMC-12

1985年公開のこの映画は、ロバート・ゼメキスの監督作品です。

科学者であるドクのシスタントをしていた高校生のマーティ・マクフライが、ドクの作ったタイムマシンで1985年から30年前へタイムトラベルして、自分と同世代だったころの両親と出会ってしまう奇想天外なストーリーで、世界中で大ヒットしました。 

そのタイムマシンとなるのはデロリアン「DMC-12」をベースに製作されています。このデロリアンはまさに物語の中心になる存在で、一躍デロリアンの知名度を広めました。クルマがタイムマシンになる発想は当時斬新でした。

デロリアン(正式名称:デロリアン・モーター・カンパニー)はゼネラルモーターズの副社長まで務めあげたジョン・ザッカリー・デロリアンが、自分が乗りたり、自分にとって魅力のあるクルマを作るために作った会社なのです。

映画に登場するのは1981年型のDMC-12です。有名カーデザイナーのジウジアーロがデザインしたガルウイングドアの2ドアクーペで、2.85リッターのV型6気筒エンジンをリアに搭載するスポーツカーでした。ボディ外板に無塗装のステンレス板を使用するなど、未来感があるスーパーカーのフォルムでしたが、見た目からほどのスポーツカーではなかったために、売上げは低迷しました。