【あの映画に登場した車】 デロリアンからセリカGT-FOURまで
2020年10月20日
20.12.4
教えてシリーズ 
ガソリンのハイオクとレギュラーの違いって、知っていそうで知らない人が多いかもしれません。
そもそも、ハイオクはプレミアムガソリンと呼ばれることもあるので、単純に「高級なガソリン」と思誤解してしまうこともあるのです。
そこで今回はハイオクとレギュラーガソリンとの違いを解説していきましょう
ハイオクとはどんなガソリンか?
ハイオクはヨーロッパ車や、国産でもスポーツカーや高排気量車などのガソリンとして指定されることが多いので、前述した通り高級なガソリンというイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、実はハイオクとは高オクタン価ガソリン(略してハイオク)を意味していて、簡単に言うと燃えにくいガソリンのことをいいます。
オクタン価とは、エンジン内の異常燃焼のひとつであるノッキング現象の起こしにくさを示す指標を指します。
ハイオクとレギュラーとの違いはオクタン価です。
純度の高いガソリンは自然発火を起こしやすく、自動車の燃料として使用した場合、ノッキング現象と呼ばれる異常燃焼を起きて、エンジンに不自然な動きや振動を起こしてしまうのです。
このような事態を避けるために、自動車の燃料となるガソリンには添加物が加え、異常燃焼を起こさないように調整されています。
オクタン価とは異常燃焼の起こしにくさを示す値で、オクタン価が高ければ高いほどそのガソリンは異常燃焼を起こしにくくなります。
そしてこのオクタン価の数値でハイオクかレギュラーかの区別がされます。
日本工業規格(JIS)でオクタン価96以上のものがハイオク、オクタン価89以上のものがレギュラーとなるのです。
レギュラーよりもオクタン価が高いハイオクは異常燃焼しにくいので、その結果ノッキング現象が起こりにくくなっています。
自動車はエンジンと空気の混合気を圧縮して、プラグで点火して爆発させることで走行を開始するのですが、ヨーロッパ車、スポーツカーや高排気量の車などは混合気の圧縮比が高く、シリンダー内の温度も圧縮比に伴い上昇するので、構造上ノッキング現象が起きやすくなってしまいます。
ですが、発火しにくいハイオクを燃料とすることで、混合気の圧縮比を高めてもノッキング現象が起こりにくくなり、ハイスピードで力強い走行がいつも可能となるのです。
要するに、ハイオクの方が燃えにくいため、より圧縮しても燃やすことを可能にしています。
このような理由から、ハイオクはスポーツカーや高排気量車、高級車、ヨーロッパ車に相応しいガソリンであるのです。
ハイオクのオクタン価が96以上で、レギュラーは89以上なので、レギュラーはハイオクよりノッキング現象を起こしやすくエンジンを傷めやすいガソリンと思われるかもしれません。
でも、ハイオクはあくまでもヨーロッパ車、スポーツカーや高排気量車のノッキング現象を防ぐのに適したガソリンであり、軽自動車から普通車まで、通常の車ならレギュラーガソリンでもノッキング現象を起こすことはありません。
つまりレギュラーがハイオクよりも劣っているわけではありません。
どうしてハイオクはレギュラーより高い?
ハイオクとレギュラーでは1リットル当たり10円程度、ハイオクが高価格になっています。
それはハイオクがレギュラーよりもオクタン価を高くするためにさらに添加物を多く入れているからです。
またハイオクでは添加物の分だけ燃えカスもたくさん出ますが、燃えカスを洗浄するための洗浄剤もハイオクには含まれています。
ハイオクの方がレギュラーよりも値段が高い理由はこうした添加物や洗浄剤が含まれているからなのです。
ハイオクとレギュラーで、燃費の違いはあるのでしょうか。
結論からすると、ハイオクとレギュラーというくくりで燃費を比べる意味はありません。
燃費は車体の大きさ、重量、エンジンなど車両全体で決まってくるのです。
現在の車はガソリンのオクタン価に合った仕様で製造されています。
つまり、燃費はガソリンの種類だけで決めることはできません。
レギュラーガソリン仕様の車にハイオクを入れた場合、パワーがあがったりエンジンがキレイになったりすると思い込んでいる人もいるかもしれません。
しかしがら、現実にはレギュラーを入れた場合と同じです。
単純にレギュラーよりコストがかかるだけ。前述したようにレギュラー車はレギュラーガソリンで最適な燃焼をするように設計されているのでレギュラーガソリンを使用することがベストです。
また逆にハイオク仕様の車にレギュラーを入れることは危険です。というのもレギュラーはハイオクに比べてオクタン価が低いためノッキング現象を起こしやすくなり、エンジントラブルなどの原因となりうるからです。